簡単なネットワークオーディオを構築する。
去年の11月にクラウドファンディングで手に入れたJDSoundのUSBスピーカーことOVO
を使う機会があまりなかったので自宅内で余っていたRaspberry pi Zero W Hと組み合わせて自宅内のネットワークオーディオを作ってみました。
OVOを使うアドバンテージ
USBを接続するだけで電源供給とデータ転送ができるので取り扱いが非常にしやすい。
また、DACも内蔵しており、ハイレゾ再生もできることもあって高性能なのも注目です。
https://www.jdsound.co.jp/products/ovo/
もちろんOVOに限らず、他のUSB接続のスピーカーやアンプと組み合わせるのも可能ですし
機器の組み合わせは個人のお好みで選んでみてください。
前提条件
- 自宅内のWiFi環境
- 作業用PCはMacBook pro
- macOS Mojave 10,14.2
- Volumio2 Ver2.526
用意したもの
- Macbook pro 2014mid ※作業用
- Raspberry pi Zero W H ※Wifiアンテナを搭載しているRaspberry piならば他の機種でも大丈夫です。
- マイクロSDカード
- JDSound OVO
- NAS(ネットワークストレージ)
- Volumio2
使用環境
自宅WiFiネットワークにVolumio2をインストールしたRaspberry piを接続し、
同ネットワークに接続したスマートフォンやPCから音楽の再生を行う。
手順の概略
- Volumio2のDL
- SDカードの焼き込み
- ハードウエアのセットアップ
- Volumioのネットワーク設定
- 再生テスト
Volumio2のDL
Volumioはオープンソースのメディア再生に特化したOSです。
これを使うことで簡単に家庭内メディアサーバーを作ることができます。
まずは最新のVolumio2をDLしましょう。
https://volumio.org/get-started/
最近ではTinker boardとかのもあるみたいです。
ここではRaspberry pi用をDLします。
SDカードの焼き込み
Macでやる場合
SDカードをカードリーダーにセットします
ツールバーのリンゴマーク→このMacについて→システムレポートの順にクリックします。
ここで出る情報一覧のハードウエアの中からカードリーダーを探します。
ハード情報からBSD名をメモします。disk2s1というような要領で記載されているはずです。
次にアプリケーションのフォルダのなかからユーティリティを探し、その中にあるディスクユーティリティを起動します。
左側の中にSDカードがありますのでこちらを選択し、消去しフォーマットします。そして次にマウント解除を選択します。
続いてユーティリティのフォルダからターミナルのアプリを起動します。
おそらく開いた状態ではユーザー名が表示されているはずです。/Users/ユーザー名こんなイメージの状態です。
この状態で
cd Downloads
と入力し、エンター。
DLしたVolumioがダウンロードフォルダにいるか確認しましょう。
ということで
ls
と入力します。
このなかにDLしたVolumioがあるか探します。
僕がこのブログを書いてる時点では次のような名前で保存されていました。
volumio-2.526-2019-01-12-pi.imgここでファイル名をメモしておきましょう。
さて、これからSDカードにVolumioのOSを書き込む準備をします。
メモ帳を起動して次のような要領でコマンドを下書きします。
sudo dd bs=1m if=volumio-2.526-2019-01-12-pi.img of=/dev/rdisk2
if=のところにはDLしてきたVolumioのファイル名を、そして末尾のrdisk2にはメモしておいたSDカードリーダのBSD名から数字を引用してきます。
下書きしたコマンドをターミナルに貼り付けて実行するとパスワードの入力を求めらます。入力後に実行するとSDカードへの書き込みが開始します。
焼き込みの時間は5分程度あれば終わるかと思います。
書き込みが終わるとこのような表示が出ます。
2800+0 records out
2936012800 bytes transferred in 172.908288 secs (16980174 bytes/sec)
Finder上にbootという名前でSDカードが表示されたら書き込みは成功です。
ハードウエアのセットアップ
Raspberry piにSDカードをセットし、次にOVO(あるいはUSBスピーカー等)と接続します。マイクロUSB同士を接続するケーブルかあるいは、
マイクロUSB用のUSB-Aのホストになるコンバータを用意します。
これらを接続できたら最後にRaspberry piに電源を入れます。
Volumioのネットワーク設定
Raspberry piが起動するとWiFiネットワーク一覧にVolumioという名前のSSIDが表示されるはずです。
これは、Raspberry piがアクセスポイントとしてWiFiのホストになっている状態です。
ここに手元のパソコンからアクセスしてRaspberry piを設定していきます。
この時、手元のパソコンは外のネット世界に接続できなくなりますので注意が必要です。
まずは、自宅WiFiのパスワードを手元にメモしておきましょう。
そして、VolumioのSSIDに接続します。この時のパスワードはvolumio2です。
接続できるとVolumioの設定画面が表示されます。
最初は言語選択。私は日本語を選びました。
次にNameという項目の設定、これは、ローカルネットワークでRaspberry piに接続しに行く時のURLを自分で決めることができます。
デフォルトの状態でも構いません。この時に名前を変更した場合は手元にメモしておきましょう。
Nameの次はOutputを選択します。
I2S DACはRaspberry piのGPIOピンの端子から直接オーディオ信号を取る機器を接続した際に使います。
私はここではUSB機器を使うのでNOを選択しました。Select your audio outputの選択肢の中からOVOを見つけて選びます。
お手持ちのUSB機器を使う場合はここで選べます。
続いて、Network、ここからVolumioの載ったRaspberry piを自宅のWiFiネットワークに繋ぎます。
先ほど控えておいたWiFiのパスワードをここで使います。
次にMusicという項目の設定があります。新規のドライブを追加という項目をクリックしていただくと多分、
大体のケースでネットワークドライブを発見できずに失敗します。
ここでは一旦この設定を飛ばします。
Doneに移ります。Donate項目です。ここはみなさんの判断にお任せします。Doneをクリックして完了です。
Doneを押してしばらくすると設定画面が自動的に消えます。するとお手元のパソコンは自宅のWiFiへの接続に切り替わっているはずです。
この状態からVolumioにつなげるにはブラウザを立ち上げて次のURLを入力します。
http://volumio.local
なお、Nameの項目で変更を行った人はメモしておいた名前をVolumioから打ち替えます。
うまく行けば再生画面が現れるはずです。
これからVolumioにネットワークドライブの登録を行います。
NASの設定を確認しておきます。以下の情報を事前にメモしておきます。
パスワードを以外はNASの管理画面から調べられるはずです。
- エイリアス…finderに表示されているNASの名前
- IPアドレス…smb接続するときやサーバー移動のときに表示されるアドレス
- パス…音楽データを保管しているパスをメモしておく
- ユーザー名
- パスワード
そしてもう一つの重要事項としては、NASの設定がSMB3になているかどうかです。
どうやらVolumioとNASの間の接続ではSMB3で行う必要があるようです。
こちらもお手元のNASの管理画面から変更を行いましょう。私の使っている機器ではSMB2に設定されていました。
これらの準備を行い、ネットワークドライブの項目から新規ドライブを追加を選択し、必要な情報を入力していきます。
NASのユーザー名とパスワードは拡張項目を選択することで入力できます。
設定がうまくいけば楽曲のサーチが行われてインデックス作成がされます。
再生してみる
楽曲を選んで再生を行うのですが、最初の再生で出力機器のボリュームがマックスになっていて爆音
が出る可能性があるので注意が必要です。(というか爆音が出てびびった。)
ボリュームは最小に絞ってからテストしましょう!!
最後に
今回はWindowsユーザーの方へのフォローがなくて申し訳ないですが、SDカードの焼き込み項目さえクリアしてしまえば
Windowsユーザーの方も使うことが可能ですのでぜひ他の方のチュートリアルと合わせて試して頂ければ幸いです。
Macユーザーの方は手元の画面でスピーカーの出力先としてVolumioが追加されているのに気づくかもしれません。
これを選択すればAir Playの出力先としてVolumioを選ぶことができます。ぜひ音楽再生以外でも活用してみてください。
Volumioの操作は同じWiFiネットワークに接続したスマートフォンやタブレットからブラウザで操作することが可能です。
パソコンをつけずに音楽再生をすることができます。
買い物リスト
機器名 | 写真 | 説明 |
---|---|---|
マイクロSDカード | データをNAS側に頼る場合は安くて容量の小さなモデルで大丈夫です。 | |
Raspberry pi3 B+ 電源付き | Raspberry pi 3 B+の電源付き、意外と適合するACアダプタを探すのに苦労するのでオススメです。 | |
Raspberry pi zero WH | 小さくてどんな場所にも置けるので今回僕はこちらを選びました。ケースに入れて運用するのがやはりおすすめです。 | |
マイクロUSBのホストケーブル | Raspberry pi zero Wを使う場合はこちらも必要です。一つ用意しておきましょう。 | |
USBスピーカー | USBスピーカーを使うとDACやアンプといったことを考えずにコンパクトに音が出せます。 |
作業をするうえで参考にさせていただいたページ。
https://efloral.jp/blog/archives/113
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